BLOG

ブログ

ご予約・お問い合わせ

075-344-0646

075-344-0646

2019/09/10

相続改正ポイント3

 「配偶者居住権」の創設と並んで今回の相続法改正の柱が、結婚20年以上の夫婦を対象にした自宅贈与への優遇措置です。

 まずは、その前提条件となる自宅の生前贈与、遺贈についてですが、贈与税において巨額の配偶者控除が受けられるのが、居住用不動産です。
 自宅、または自宅購入費用のうち2000万円が控除され、もともとの贈与税の基礎控除と110万円と合わせて2110万円までの自宅贈与が非課税となり、とてもメリットが大きくなります。

 ただし、そのためには婚姻期間20年以上の夫婦であることが要件とされています。そのため、この贈与は「おしどり贈与」とも呼ばれています。
 この贈与を適用することで妻名義に変更された自宅は、夫の相続財産からはずすことができます。しかし、これまでの場合、先妻の子と後妻の間で争族が起きてしまうと、先妻の子が贈与された自宅を相続財産に含めるよう請求したり、妻以外の相続人が特別受益の払戻し請求をすると、贈与した自宅も相続財産に含めて計算しなければなりませんでした。

 それが、今回の相続法改正で、大きなルール変更があり、婚姻期間20年以上を条件に、贈与した自宅は遺産分割の対象外にすることが出来るようになりました。
 仮に、自宅以外の財産が預貯金のみであれば、その預貯金を法定相続分に応じて分けるだけで終わるということです。

 日本人の財産の多くは、不動産が約40%、現金・預貯金が約30%、有価証券が約15%、その他が約10%程度となっています。最も多いとされる自宅を中心とする不動産は、分け方を巡って、争族が泥沼化することが多くありました。
 また、日本の離婚件数のピークは2000年前後であり、以前に事例としてご紹介した先妻の子と後妻による争族のようなケースが今後増加することが考えられます。そのため、今回の改正がこれからの相続に影響を与えるものとみられています。

 
 しかし、これにも注意点があります。自宅の財産価値が高い場合は、2次相続(相続人が子のみ)と合わせて、配偶者の遺産が増えるため相続税額が増える可能性があります。
 また、他の相続人の最低限の取り分である「遺留分」を侵害している場合は、自宅贈与であっても遺産分割の対象外とはならず、遺留分を請求される可能性があります。そのため財産が自宅のみの場合は、注意が必要です。

 では、自宅を妻に贈与ずる場合、生前贈与と遺贈のどちらのほうがよいのでしょうか。
 結論からいうと、遺贈のほうを断然お勧めします。
 まず、「小規模宅地等の特例」が相続時にのみ適用できて、生前贈与には使うことができません。さらに、登記費用や不動産取得税などの費用も生前贈与より遺贈のほうが安くつきます。
 金銭的なメリットだけでなく、生前贈与には、離婚や妻が先に死亡するといった想定外のデメリットがつきまといます。

 そもそも配偶者への相続には、最低1億6000万円まで相続税が課されないことを考えると、急いで生前贈与をする必要はありません。
 先妻の子や婚外子がいるケースなど、争族が想定されるのであれば、今のうちに遺言書を作成して遺贈するというほうがベストかもしれません。
 

ご予約・お問い合わせはこちら

まずはお気軽にご相談・お問い合わせください。

Page Top