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2019/09/05

相続法改正ポイント1

 昨日、京都は夕方にものすごい雷雨にみまわれました。次々と雷が近くで落ち、電車も停まったり、停電があったりととても不安になるような天気でした。
 今日は、また蒸し暑くなりそうですが、なかなか気候が安定しませんね。

 さて、前回までは争族になりそうなケースや相続対策の失敗についてお話してきまっしたが、今年の7月に相続法が大きく変わりましたので、今回からは改正部分についてお話したいと思います。

 今回は、「配偶者居住権」の創設についてです。これまもブログに取り上げている内容ですが、改めて整理したいと思います。

 
 再婚をした場合、先妻の子と後妻の間で争族が勃発したというのは、よくあるケースであり、心配のネタになるものでもあります。

 これまでは、夫名義の自宅に住む妻が遺産分割協議により自宅を所有できなかった場合、そのまますみ続けることが出来なかったり、所有できても預貯金が少なければ自宅を売却して先妻の子との遺産分割に充てるケースが多くありました。「配偶者居住権」は、そうした妻の権利を強化したものです。

 「配偶者居住権」には、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の種類があります。
 前者は、期限付きの居住権で、特段の手続きは一切なく、夫が死亡した相続開始から6ヶ月、もしくはその6ヶ月を超えても遺産分割が確定するまで居住できる権利です。

 「配偶者居住権」は、例えば夫が評価額2000万円の自宅と預貯金2000万円を残して遺言書もなく他界したとします。
 先妻の子と後妻の法定相続分はそれぞれ2分の1ずつのため、これまでであれば、後妻が2000万円の自宅をもたったのであれば、先妻の子は預貯金2000万円を相続するといった分け方しかできませんでした。
 
 それが今回の「配偶者居住権」では、自宅を「居住権」と「所有権」に分けることが出来るようになり、後妻が居住権1000万円、先妻の子が所有権1000万円を相続することで、後妻が自宅に住み続けながら生活費も改正前より多く確保することが可能になりました。

 この居住権は終身の権利ですので、妻が死亡するまで権利を失うことはありません。ただし、居住権は売却したり他人に賃貸することや増改築はできないため、売却や賃貸、増改築をする場合には、所有権者である先妻の子の合意が必要となります。
 
 また、居住権を取得した妻は所有者でないため、登記をする必要があります。登記をしないでおくと、仮に所有権者である先妻の子が第三者に居住物件を売却してしまった場合、対抗することができません。第三者が居住建物の使用を妨害する場合にも、妨害排除請求権を行使することができません。

 永久的には居住することのできる権利として非常に画期的な改正でしたが、仮に妻が老人ホームに入居する場合は売却して入居費用に充てることが難しいことや、居住建物の修繕維持費の確保など懸念材料もまだ残ります。

 居住中の固定資産税の納税義務者は、本来であれば所有権者の先妻の子ですが、民法上は後妻の負担となり、居住を継続するには、それなりの負担を覚悟しなければなりません。

 このようなことから、配偶者居住権は優先的に使用するよりも、最終手段と心得て、遺産分割が円満に終われるよう心がけておくことが必要だと思います。

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