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2019/09/04

相続対策の失敗case4

 少子化が進み、子育てがひと段落したあと、孫のために時間やお金を使っている方は、特に地方では多いのではないでしょうか。

 相続対策の失敗について、今回は孫可愛さに老後資金を贈与してしまったケースについてです。お孫さんがいる方、いらっしゃらない方、人数も様々かと思いますので、該当されない場合もあるかと思いますが、意外と多いケースです。

【ケース4】
 嵯峨秀明さん(仮名)は、近くに住む孫がいます。今年から幼稚園に通っており、とてもよくなついてくれています。
 この孫の将来のために、祖父として何かしてあげたいが、やはり資金援助が一番役に立つのではないかと考えました。

 孫の名義で預金口座を作れば名義預金になってしまい、相続税が課税されるかもしれないということを知人に聞いていました。

 そこで、相続税の節税メリットでもある「教育資金一括贈与」の非課税制度を活用しようと考え、銀行に専用の口座を開設しました。

 教育資金一括贈与とは、平成25年4月1日から令和3年3月31日までの間に、30歳未満の方が教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から
 ①信託受益権を取得した場合、
 ②書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合
 ③書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合
には、その信託受益権等の価額のうち1,500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となるものです。

 嵯峨さんは、贈与契約書を作り、限度額の1500万円を一括贈与しました。

 しかし、数年後、妻が亡くなり自身は有料老人ホームに入ることを余儀なくされました。ところが、以前に一括贈与をしていたため、老後資金として貯蓄していた金額では足らなくなってしまいました。

 困ってしまい税理士に相談しましたが、一度贈与したものを取り戻そうとすると、今度は孫が自分に贈与したことになり、贈与税が発生し、しかも教育資金以外に使うことになるため、二重課税されてしまうということでした。

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 教育資金の一括贈与は、節税対策にもなることから活用する人も多いですが、1500万円の限度額までいっぱい使ってしまうのは、よほどの資産家でなければお勧めはしません。

 長い老後の生活をきちんと考えて、余裕のある範囲で慎重に贈与額を決めることをお勧めします。

 今回の税制改正によって、教育資金一括贈与についての改正概要は以下のとおりです。

 (1)適用期限が令和3年3月31日まで2年延長されました
 (2)受贈者の所得要件:合計所得金額が1000万円を超える場合は適用を受けることが出来ません
 (3)教育資金の範囲:学校等以外の者に支払われる金銭で受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、スポーツ・文化芸術に関する活動等に係る指導の対価、これらの役務提供又は指導に係る物品の購入費及び施設の利用料が除外されました
 (4)贈与者が死亡した場合:受贈者がその贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等についてこの非課税制度の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日における管理残額を、その受贈者がその贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなすこととされました
 
 子供や孫が複数いて、それぞれに財産を与えたいのであれば、生前贈与はとても効果的です。一人につき、年間110万円までの贈与であれば、基礎控除されます。これを毎年続けることで税金を支払うことはありません。

 この場合、資金の使い道は限定をすることはできませんので、教育資金一括贈与とは切り分けてお考えください。

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